• 感性デザイン

    感性科学をデザインに活かす第一歩のために

  • 目指すこと

    感性デザインを実践するためには,感性そのものが持つ情報と感性をある方向に導くための情報を知ることが必要です.情報は,先天的・後天的なものから未来を予想するテクノロジまで多岐に渡ります.あらゆる情報をデザイン発想に導くことができる知見と考え方の第一歩を提供することを目指します.

    デザインの定義

    感性デザインとは何かを知るためには「デザインとは何か」を知ることが必要です.デザインの定義はいろいろありますが,「問題解決の行為」です.当然「問題の発見」を含むのは言うまでもありません.つまり,人の感性に焦点を当て問題解決することを第一に考えると,もはやプロダクトデザインであるとかCGデザインであるとか分野に制限をかけることは,意味が無いのです.

    感性操作と感性評価のデザイン

    快のイメージ心理量を増幅したり負のイメージ心理量を軽減したりすること,人の曖昧な感性を曖昧なまま表現し数値化すること,その考え方を知ることで,感性と情報という捉え方が,分かるようになるでしょう.この二つの考え方を最初に定着させることができると教育や医療など様々な分野に展開させていくことができます.[チャイルドライフ・デザインのサイト

  • 感性/KANSEI

    感性に関わる情報

  • 学問としての感性

    人間情報学/感性情報学/感性デザイン学

    学術振興会

     2018年度科学研究費から,基盤研究(S),基盤研究(A・B・C)(応募区分「一般」),挑戦的研究(開拓・萌芽),若手研究については、従来の「系・分野・分科・細目表」を廃止し,「小区分,中区分,大区分」で構成される「科学研究費助成事業 審査区分表」で公募・審査が行うことになりました.

    感性デザインは,大区分J中区分61人間情報学およびその関連分野〕>小区分61060〔感性情報学関連〕>感性デザイン学,となります.

     

     2014年3月23日の,科学研究費助成事業—科研費—「系・分野・分科・細目表」の改正について」(科学技術・学術審議会学術分科会科学研究費補助金審査部会)では,以下のように分類されていました.

    [系]総合・新領域系>[分野]情報学>[分科]人間情報学>[細目名]感性情報学>[分割]>[キーワード(記号)]>(1)感性デザイン学,(2)感性表現学,(3)感性認識学,(4)感性認知科学・感性心理学,(5)感性ロボティックス,(6)感性計測評価,(7)あいまいと感性,(8)感性情報処理,(9)感性データベース,(10)感性インタフェース,(11)感性生理学,(12)感性材料製品,(13)感性産業,(14)感性環境学,(15)感性社会学,(16)感性哲学,(17)感性教育学,(18)感性脳科学,(19)感性経営学

     

     感性デザインは,学問体系の中の一つなのです.自分の専門分野がどこにあるのかということを知ることは,大切です.論文を書いたり調べたりするときに限らず知識を得るためのキーワードとしても必要なことだからです.

    経済産業省

     国としては,経済産業省が,2008〜2010年度までを「感性価値創造イヤー」と定め,感性価値創造の実現に向けた様々な施策を重点的に行うとしました.「感性価値創造イニシアティブ—第四の価値軸の提案 感性☆21報告書 」が,経済産業調査会より出版されています.
    その内容紹介には,以下のように記されています.


    [従来の価値観(性能、信頼性、価格)に基づくものづくりが新しい局面を迎えています。近隣諸国を含む途上国の激しい追い上げや、わが国社会の高齢化、成熟化といった構造変化を踏まえ、引き続きわが国が活力ある発展を遂げるためには、従来の高性能、高品質という価値観に加え、新しい着眼からの価値創造が必要になっています。新しい価値創造におけるキーワードは、「感性」であり、「感性」を通じて実現される満足、経済価値としての「感性価値」であると考えられます。わが国のものづくり産業には、作り手側には日本の風土や環境、日々の暮らしぶり、文化・芸術などを土壌として育まれた日本の「感性」が息づいており、利用者・生活者の「感性」との間で、ある時はわが国固有のものとして、またある時は国境をまたいだ普遍的なものとして、見事にお互いが呼応しあっている例がたくさんあります。今後日本経済が活力を維持していくためには、「感性」を改めて見直し、それをものづくりやサービスに活かしていくためにはどのような点が重要か、また、これを支援していくためにはどのような政策が必要かが問われています。本報告書は、こうした問題意識に基づきとりまとめられました。人間の感性には無限の広がりがあり、「感性」を「経済」に結びつけることで、日本経済の未来もまた、無限の可能性がもたらされます。本書における問題提起が、広く各界の意識と議論を呼び醒まし、更なる価値創造の一助となれば幸いです。]

     

     この本に紹介されている商品すべてが,感性デザインであるかどうかは判断の分かれるところだと思います.「なんだこれが感性デザインか」と思うようなモノも記載されているかもしれません.しかし,見ているとあることに気がつくはずです.それは,手間暇をかけた緻密さとでも言えばよいでしょうか.ユーザが使うときの心=感性を緻密なまでに考えているというのが見えてくるのです.直接身につけるものでなくてもです.

     

  • 情報/Information

    先天的・後天的に獲得した情報の捉え方

  • 論文執筆

    論文執筆のために

  • Keywords

    感性的情報処理

    ある情報を感覚器官で入力して,感性の働きによって処理され,感覚器官をとおして出力される,この一連の処理を言います.

    知的情報処理は,対する言葉として使われますが,感性的情報処理と知的情報処理の一方だけが完全に独立して働くのではなく,両方がお互いに影響を与えていると考えられています.そのウェイトが違うだけであり,またその差を認識できるかできないかだけです.

    [感性デザイン]での図は,感性的情報処理は潜在的メンタルプロセス,知的情報処理は顕在的メンタルプロセスによるということを示しています.

    メンタルプロセス

    認知するための働き(心の働きを含む)の過程のことです.

    例えば,インタフェースデザインの評価において,ユーザのメンタルプロセスの適合性が高ければユーザは分かりやすいと判断します. したがってインタフェースデザインの場合は,アイコンだけのデザインではなく,ユーザのメンタルプロセスまで考えなければならないのです.もちろんインタフェースのデザインに限ったことではありません.

    感覚モダリティ

    異なった受容器を通して生じた感覚的経験はそれぞれ質的に異なります.

    このような各感覚(視覚,聴覚,味覚,嗅覚,皮膚感覚[触覚・圧覚,痛覚,温覚,冷覚],運動感覚[筋感覚],平衡感覚,内臓[有機]感覚)によるに固有な現象的性質のことです[1].感覚モダリティ変換は,受容器が異なるけれども経験から同じように感じることができることを指します.触れずとも見ただけで冷たく感じることは,視触覚情報の感覚モダリティ変換によるものであることを知っているとその他の感覚モダリティ変換を用いたデザイン発想も可能になるはずです.

    [1]「心理学辞典」:中島義明・安藤清志・子安増生・坂野雄二・繁桝算男・立花政夫・箱田裕司 編,有斐閣,1999

     

    アブダクション(abduction)

    アブダクションとは,アメリカの哲学者・論理学者のチャールズ・パースが推論過程の一つとして再定義した言葉で,何か予想外のことが起こったときに新しい仮説を設定する過程を指します.

    一般的な法則から個々の事例を論証する「演繹(deduction)」や個々の事例から一般的な法則を探る「帰納(induction)」に先立つ,重要なプロセスとして位置づけました[1].

    もう少し簡単言えば,アブダクションとは,結果から原因を推測する推論であり,観測事実に対する 説明を見つけるという推論のことです.

    もっと分かりやすく言うなら,なにか新しいデザインができたとき,どんな感性が働き,どんな想像力へと変化したのか,いったい何が起こってこの新しいデザインはできたのか推論することです.その推論ができれば,感性の働きや想像力への変化のプロセスが明らかにできるということであり,新しいデザインができること,つまりデザイナーが生み出す創造的な思考プロセスを明らかにできるのです.

    [1]原島 弘,井口征士:「感性情報学」,工作舎,p207,2004

    パラダイムシフト(paradigm shift)

    ある集団に共有されているパラダイムが,ある時点で革命的に,非連続的に変化する局面のことです.

    もともと,パラダイムとは,科学者の間である期間広く認められている基本的な概念のことを言いました.これが社会科学にも適用され,「ものの見方,考え方の規範」として使われています[1].

    例えば,デジタルメディアの技術発展とそのインフラが一気に整って来ると,今までのデザインに対する見方や考え方を変えなければ新しいデザインを考えることはできないということです.

    [1]デジタル・コンバージェンス'94編:「デジタル社会」,BNN,p12,1995

    ユビキタス・コンピューティング(Ubiquitous Computing)

    ユビキタスとは,「あらゆるところで,遍在する」という意味です.
    ユビキタス・コンピューティングとは,ユーザにとって目に見える形でコンピュータが存在せず,生活の中にコンピュータチップとネットワークが組み込まれ,ユーザはその場所や存在を意識することなく利用できるコンピューティング環境のことを言います.

    進化すれば,iPhoneなどのディバイスを持ち歩く必要もなくなるでしょう.

    感性操作

    デザインを研究対象とした場合,感性を考えなければなりません.何故なら創る側のデザイナーもそれを購入するユーザーも“自分でさえ気づかない心の働き”に従っているからです.デザインする側から言えば,アイデアを生むこということは,ある情報から何かを得て自分の感性の働きの結果として表出します.つまり,インプットがあり,自分の経験から構築してきた概念モデルと何らかのすり合わせと変化させた後にアウトプットするという行為だからです.この働き,つまり,感性を,デザインをとおしてどう操作できるかということを考えてデザインすることが,感性操作です.

    デザインをとおしてとは,“デザインというフィルタをとおしてあらゆる事柄を考えること”に他ならないのです.
    従って,感性デザインが目指すデザイン力とは,デザインというフィルタをとおしてあらゆる事柄を感性から操作できる具現化能力のことです.
    この考えに立った研究によって新たなデザイン領域を開拓・創造できるのです.

    感性行動

    感性的情報処理による行動のことです.感性行動には自分では気がつかない無意識的な行動と意識した行動があります.いずれにしても本人の行動ですから何らかの方法で分析することができれば,その人の感性を知る手段になるはずです.デザインする側は,その行動をどのような方法で捉えるかによって結果の差があることを忘れてはいけません.ともすればあれはこの手法で分かるということに陥るからです.

    メンタルモデル

    自分自身や他者や環境,そしてその人が関わりを持つものなどに対して人がもつモデルのことです.人はこのメンタル・モデルを経験や訓練,教示などを通して身に付けるようになります.

    D.A.ノーマン,野島久雄 訳:「誰のためのデザイン?」,新曜社,pp.525-26,1990

    潜在的メンタルプロセス

    自分では気がつかない無意識的な心の働きのことを言います.研究として扱うのは,潜在的メンタルプロセスの部分です.しかし,今のテクノロジーを持ってもどちらの感性であるかということを明確に分けることができませんが,実は単純な方法でそれを分けることができるかもしれません.

    下条信輔:「サブリミナル・マインド」,中公新書,p4,P13,pp.67-68,2000

    顕在的メンタルプロセス

    自分で意識化して言葉にできる心の働きのことです.

    下条信輔:「サブリミナル・マインド」,中公新書,P57,2000

     

    エージェント(agent)

    ポストGUIとして言語・音声入力が可能で人間の意図を読み取り,知的な作業を行ってくれる代理人・情報機関の協力者のことです.

    情報空間の巨大化にしたがってマウスとメニューの直接操作でユーザが求める情報を検索するのは困難になるので必要とされています.画面に表示される擬人化エージェントなどはよく知られています.Officeソフトを使用したときにヘルプ機能として現れるOfficeアシスタントのイルカもその一つでした.
    単に文字を入力すれば質問に応えてくれるという形式に対してキャラクタの動作や仕草を加えることによって,エージェントとして感性的なコミュニケーションを取っているとユーザに思わせることができましたが,過去のものとなっているのはなぜかを考えることが重要です.

    メタファ(Metaphor)

    隠喩.「たとえ」のことです.
    インタフェースに使用されるアイコンの多くに,このメタファが利用されています.

    例えば消しゴムアイコンやフォルダ,ゴミ箱のアイコンなどはその最たるものです.相手の既存の知識に頼ることで理解や情報の伝達を促し,分かりやすさを支援することができます.消しゴムなどオフィス周りモノを用いたメタファをオフィスメタファと言います.

    メタファは,経験や文化の違いによって異なるため,それだけに頼ったデザインには限界があります.CADの操作画面のアイコンは見ただけでは機能を理解することが難しいことからも分かると思います.解決策として,文字表示も加えて使用することで分かりやすさは大きく保証されるようになります.

    カスタマイズ(Customize)

    ユーザが,自分にとって使いやすいように製品やアプリケーションの機能などの設定を変更することを言います.

    製品やアプリケーションの設定は,予(あらかじ)めなされていますが,その設定がすべてのユーザに使い勝手がよいとは限りません.従って,ユーザが自由にデフォルトの設定を変更をできるように設計することが必要です.その許容範囲をどう捉えて具現化するかが重要なところです.

    感性評価

    評価するためには分析が必要ですから多変量解析や生理反応システムを使ったデータ分析が先ず頭に浮かぶはずです.

    前者には,定性的なものを定量的に扱わなければならないため少なからず恣意的要素が介在します.生理反応システムは,データが正確であっても反応したという事実であって人の心の思いまで確定できたというまでに至っていないということを頭に入れておく必要があります.ともすればいつも使っている分析方法が一番と思ったり,これにはこの方法だという固定観念が働いてしまいがちになります.

    曖昧な感性は曖昧なまま評価させてあげて且つ数値化ができれば今までとは比較にならない制度で感性評価が可能になるはずです.

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