一分野の専門家の考えとは異なり,異分野の専門家たちの各々の感性の定義をまとめたものに 原田の感性の定義があります.

そによれば,感性は,

  1. 主観的で説明不可能なはたらき
  2. 先天的な性質に加えて知識や経験による認知的表現
  3. 直感と知的活動の相互作用
  4. 美や快など,特徴に直感的に反応し評価する能力
  5. イメージを創造する心のはたらき

の5つに分類されています[註1].

これは,感性評価構造モデル構築特別プロジェクトの研究員に対し感性の定義を自由に記してもらい,その中からキーワードを抽出して林の数量化3類によって分析,分類したものです.それぞれの専門分野は,現代語・現代文化,芸術学,総合造形学,デザイン学,ヒューマンインタフェース,情報科学,ロボティクス,データベース,画像情報処理,機能工学,機械工学,材料工学と多岐にわたっています.

 この5つの分類を見ると,「感性」とは,何かに対する「働き」であり,「能力」であり,「表現」であり,「作用」であり,能動的な意味合いを多く含んだものであることが分かります.したがって,「感性とは,ある刺激に対して働く能動的な能力を持った働きである」と定義できます.

「デザインする」とは,「能動的働き」であることを考えれば,デザイナーは感性=ある刺激に対して働く能動的な能力を持った働きを操れる人ということになります.

なお,『感性デザインの定義』は、こちらへ.

[1]原田 昭:“感性の定義”,「感性評価2」,感性評価構造モデル構築特別プロジェクト研究組織,岡崎章 編著,pp.41-47,1999

★ 原田 昭 先生のご厚意により,上記の「感性の定義」の全文をこのサイトを通してどなたにも自由に閲覧して頂けることになりました.pdfファイルで提供致します.

なお,引用される場合は.上記引用[1]を参考に記載されますようお願い致します.